東北一人ストラット 1日目 夕方のつづき

5月12日(土) 17:45頃

超えなければいけないハードルはたくさんありましたが、僕達は松岩保育所に歌いに行かせていただけることになりました。当時NHKみんなのうたで放送されていたワタナベフラワーの「てんとうむし」という曲を松岩の子供達は運動会の出し物としてダンスを踊ってくれていたのです。

運動会が終わり、教室に戻ってきた子供達に向けてサプライズ。僕達がてんとうむしを生演奏するという演出を先生方が考えてくれました。

てんとうむしを歌った時、誰の指示もないのに座って見ていた子供達が立ち上がって運動会で踊っていたダンスを僕達の演奏にのせて踊ってくれました。

歌い終えた後にね、もう涙が止まらなかったです。何も言えなくなりました。何も言えない僕達に、子供達が

「がーんばれ。がーんばれ。がーんばれ。」

って言うんです。

もう顔面ぐちゃぐちゃになりましたわ。メンバーも、中澤さんも、みんななってました。

僕達がその言葉を言いに来たハズやってんけどなーって思ってぐちゃぐちゃになりました。

ぐちゃぐちゃになりながら僕達から出た言葉は「ありがとう」でした。

これやなーって思いました。

この時に僕は「がんばれ」よりもお互いに「ありがとう」って言いたいなーと思ったんです。東北で美味しいもの食べて、お金を払ってお互いに「ありがとう」って言いたい!東北の好きな人を紹介したい!その人の生の言葉をみんなで聞こう!東北の景色をみんなで見たい!押し付けるんじゃなく、目にしたものでそれぞれが何かを感じてほしい!そうやって僕達が好きな東北を紹介するツアーを東北の観光会社を使ってやろう!

「忘れないで」って僕達が言うのは変や。自然に「また行きたいな。」ってみんなが思い出してくれらええな。

そういう想いで「東北ストラット(バスツアー)」が出来ました。こういう気持ちを作ってくれたのは間違いなく横山さんと瀬川さん、そして松岩保育所のみんななのです。

僕達が東北に行きたいって気持ちを作ってくれたルーツみたいな二人、横山さんと瀬川さんに会いたい!そう思って電話をしました。

もちろん、アーモンドクラッシュポッキーを食べてからです。

東北一人ストラット 1日目 夕方

5月12日(土) 17:30頃

ホテルにてとにかく今日からのアポどり開始。

さくせんは「えんをだいじに」です。

東北の震災があった時にワタナベフラワーはすぐ現地には行きませんでした。

自分が阪神淡路大震災に被災した経験から、「最初はみんなが行くねん。でも1年後ってどうなんかな。それに今は情報がなさすぎて僕達に何が出来るのか、現地の人が何を求めてるのか分からない。」と思っていたからです。

2012年、僕達は東北へ行きました。歌いに行こうとかではなく、まず「今何に困っていて、何が必要か。」を直接現地の人に聞きたかったからです。

当時ラジオ関西で一緒に番組をやらせていただいていたディレクターの中澤さんも帯同してくれました。

お世話になっていた明石の朝比奈さんにご縁をつないでいただいて横山さんという方にお会いする事が出来ました。

その横山さんのご紹介で、南三陸さんさん商店街に行く事も出来ました。

そしてその横山さんがパーソナリティを務めるDateFMの「がんばろう宮城 希望のラジオ」という番組にも出演させていただきました。

その時に

「有名人がたくさん来ている場所があると思います。でもまだ誰も来てない所があるハズ!僕らで良ければ行きますのでぜひ手を上げてください!」

って話したんです。

東北から帰ったら事務所に一通のメールきていました。

「私の息子が通う気仙沼の松岩保育所にはローカルヒーローの「りゅう」

来ていません。ワタナベフラワーさんどうか松岩保育所の子供達に元気をくれに来ていただけませんでしょうか。」

瀬川さんという方です。

(このご家族を後に神戸ストラットにご招待する事になります。)

つづく

東北一人ストラット 1日目 おやつの時間

5月12日(土) 15:30頃

仙台駅に到着。

以前ABCラジオ「秘密結社 大阪ぴかぴか団」の打ち上げでご一緒させていただいた時に東北の話をたくさんしていただいた藤光さんから、FBにバシバシコメントいただいたので即電話。

「誰から紹介したらいいかな?」

うほー!!!

頼り甲斐あるーー!

今回、神戸ストラットはもっと初心に帰る!

「誰に見てもらいたいのか?」

僕の個人的な想いは「旅行したくてもなかなか出来ない人や想いに共感していただける人」です。

僕は小学生の頃オカンがいなくなったので(現在オカンと死ぬほど仲良いです。さみしくないです。割愛。)家族と旅行に行った記憶があまりないのですが、東北にいる人達で、「震災後あまり旅行に行けない」特にそういった子供達に神戸に来てほしいなあと思ったのが始まりで、神戸ストラット1年目に子どもの村東北(リンク参照 http://cvtohoku.org)のみなさんに来ていただいたのはそういう理由がありました。

今回コラボするヴィッセル神戸。

ヴィッセル神戸も小学五年生対象に夏に東北から子供達を呼んでサッカー観てもらってるねん。神戸ストラットと想いが一緒やんね。

僕ね、ヴィッセル神戸とベガルタ仙台戦、観戦したことあるんやけど、なんか泣けてくるねん。

お互いにエール送りあうねん。それだけとったらスポーツの世界ではよくある話なんかもやけど、なんでやろね。

決して同じではないけど、お互い震災にあって、安っぽい言葉で表したくないけどそういうお互いのなんとも言えないエールがそこにあるねんな。

それめちゃ感動するねん。神戸の人にも絶対観てほしい。そして東北の人にも。

今年のヴィッセル神戸ホーム最終戦はベガルタ仙台戦です!

ここに東北の子供達を招きたい!

神戸ストラットは毎回みんなから募金(クマちゃんのお願いクマウドファンディング)をいただいて、東北から来てくれる方に旅費をプレゼントしています。

今回の神戸ストラット1日で終わらへんねん。

神戸ストラットはキックオフ!

ヴィッセル神戸vsベガルタ仙台戦がゴールやで!

みたいな事を藤光さんに伝えたかったんですが、そこまで話さずとも察してくれたみたいです。すぐたくさんアイディアいただきました。さすが。

さあホテル着きました。グミを食べないといけない。あとアーモンドクラッシュポッキー。

東北一人ストラット1日目お昼

5月12日(土) 13:50頃。

現時点で今夜19時に仙台の友人、ミュージシャンのヒザシ君に会う。明日の11時に仙台の恩人、横山さんに会う。という事以外は何も決まっていない。

「神戸ストラットって誰に見てもらいたいんですか?ただのイベントじゃダメですよね!」

「そうだそうだ!」

「クマちゃんの個人的な熱量みたいなものがもっと必要なんじゃないですか!」

「そうだそうだー!」

「東北でその熱量の元を探してきてくださいよ!」

「そうだそうだー!その通りだー!」

という叱責にも似た(?)みんなからの激励をうけ僕は東北に向かっています。

「もちろんそれって出会いやし運みたいなとこもあるじゃないですか?何も見つからなくてもそれはそれなんです。プレッシャーは感じなくてもいいんですよ!」

いや!

感じるわ!

落ち着かへんからさっき空港のコンビニでおにぎり弁当を買ったんやけどなんか全然味せーへんかった。

 

プレッシャーは味覚を奪う。-クマガイタツロウ-

一人で飛行機。僕の指定の窓際の席に座る時に先に座っていた通路側の人(ソリッドな桂小枝)がニコっと席を譲ってくれた。

あ!直前で買った水と、飛行機で読む用に用意してた本、仕事する用のアイパッド。僕の飛行機三種の神器をリュックにいれたまま上の荷物入れにいれてしまった!

って気がついた時には後ろに軽い通路渋滞、前にはソリッド小枝に挟まれていたため小市民な僕は三種の神器を想いながら静かに着席しました。